トラウトロッドには「掛けた鱒を確実に取り込む」と言う性能が特に求められます。もちろん渓流ロッドも魚を取り込め無ければ話にも何もなりませんが、日本のネイティブとレインボ ーなどのトラウトではその最大サイズが御存じのとおりあまりにも違います。30cmのヤマメは大きくてもそのサイズのレインボーはけっしてグッドサイズとは言えません。「掛けた魚 をかならずランディングする」と言う能力はトラウトロッドに求められる性能の中でもかなりの大きな割合を占めると思います。 中空バンブーロッドの特性として曲げたときに「その断面がへしゃげて楕円状になる」と言う現象が起こります。もちろんグラファイトロッドでもチューブ状の物には必ず起こる事なの ですが、中空バンブーロッドは「楕円状になった断面が元の円に戻ろうとする力」を利用してキャスティング時の反発力を上げ、副産物としてもたらせられる軽量化と相まってロッドス ピードを上げたりスローな竿でも張りを持たせたりと色々活用しているのです。しかしこの特性はキャスティング時のほとんど一瞬に近い動きにはには好都合なのですが、大きな魚が掛 って曲げ続けられるとソリッドのロッドに比べて復元力が弱いと言った特性も合わせ持っています。日本の渓流で釣れるレギュラーサイズの魚であれば「軽快にキャスト出来て掛けてか らも楽しめる」ちょうど良いバランスで好都合なのですが、大型のトラウト相手では大問題です。 角宏ロッドの4ピーストラウトロッドは、ティップとセカンドセクションは中空で軽くキャスト時の高反発を活かす様にしていますが、サードセクションではティップ側からバット側に かけて徐々に肉厚を増して行き、バットとのフェルール付近では中空部分は無くなりバットセクションはすべてソリッドになっています。大きな魚とのやりとりの時、ロッドの先半分は いち早く魚の動きに追随しますが、バット側の二つのセクションは粘り強く魚の動きを制するのに役立ちます。さらにキャスティングフィーリングは軽いティップと粘り強いバットで、 まるで7フィートクラスのロッドの様な扱い易さです。 現在のラインナップは T80 (8'0" #5 4p 2t セミパラボリック) k83(8'3" #5/6 4p 2t ファーストプログレッシブ) k86 (8'6”#5/6 4p 2t プログレッシブ) ラインナップのバリエ―ションは今後広げて行きます。 #
by kakuhiro-rod
| 2015-03-15 09:04
モデル名の(L)はLoutus、ハスの根の蓮根の意味です。7'9"#3/4 4P このモデルは蓮根の外見の様にフェルールをくびれとして各セクションの中央が膨らんだ形をしています。テーパー上の事なので見た目には解らないのですが、その効果はかなり期待できます。 フェルールとその前後が突っ張って曲がり難いと言う事は、マルチピースロッドでは各セクションの中央がよく曲がる現象が起きる事になります。スローなストレートテーパの S76 ではまさにこの特性を活かして張りとしなやかさを両立させているのですが、「ではセクション中央も突っ張らせたらどうなるのだろうか、ロッドに張りを持たすファクターとして使えないだろうか?」と考えた訳です。 始めのプロトは5ピースでした。
L79 はセクションの中央を膨らませながら全体をプログレッシブアクションになる様に整えてあります。本流で出番の多い 7'9"としては、独特の張りと軽快さをもったその構造とはうらはらの素直な使いやすいロッドです。 またこのデザインはバンブーでのロング・ライトラインロッドの可能性を広げるのではないかと考えています。 #
by kakuhiro-rod
| 2013-02-21 06:33
| モデル紹介
7'6"#3 4P グリップの中までグッと来るエクストラスローアクション、でも次の瞬間何事も無かったかの様にピタッと止まるテイップ。とてもしなやかなのにしっかりと芯の通ったコシが有る。掛けた魚の感触を最高に楽しめるフレキシビリティー。S76は中空淡竹ロッドの軽さと繊細なしなやかさが4Pの特性とうまくマッチした自信作です。 3ケ所有るフェルールがロッドの曲がりすぎを抑え、またそれぞれの質量が働くため、厳密に見ればかなり節のある動きをしているにもかかわらず実際まったくスムーズに感じるのは、ちようど野球のピッチヤ―が投球の時、下半身の移動~胴体の体重移動~肩の回転~腕と肘の振りおろし~手首のスナップと、異なる筋力を駆使しているにもかかわらずのびやかでスムーズに見えるのに似ているかもしれません。ピッチングでもフライキャスティングでもボールの行った先やライン先端のフライまで神経を行き渡らせようとする時、無段階な伝達ではなくそれぞれのセクションへの意識とパワーのリレーションと考えた方が実態に近いのではないかと思うのです.淀み無く弧を描くフェルールの無いロッドの曲線は確かに理想的にみえます、しかし実際1Pのロッドはキャスティング時の張り不足が否めません。 S76は数々の4Pロッドのメリットと淡竹が組み合わさったしっかり芯の通ったコシとそこからはあまりのギヤップに驚くしなやかさを合わせ持つ渓流を楽しみつくす一本です。 #
by kakuhiro-rod
| 2013-02-13 07:38
| モデル紹介
6'9" #3 4P このモデルはロッド中央が折れ曲がる様に曲がるセンターホ―ルデイングアクションを持っています。過去にこの様なアクションを故意に持たせたロッドは見た事はないのですが、慣れてしまうとその生物的な動きはきっと病みつきになると思います。ロッド中央部のほぼ一点が曲がる様なテーパーなのですが、そこにセンターフェルールの突っ張る部分が重なるため、テイップ部分を素早く弾き返す様な動きをします。実際にはワンテンポ遅れてテイップがラインを運ぶ感じですが、テイップフェルールの質量が拍車をかけるため、まるでバスケットボールのダンクシュートを決める様な感覚でプレゼンテーションが出来ます。 ショートロッドのわりには長めのリーダーもこなせると思いますが、シュートの時テイップでスナップを利かすイメージで強くリストダウンして素早く振り切るのがコツです。この生命感の有るロッドで釣りをしていると何か腕が上がった、いや腕が一関節伸びた気になるのは僕だけでしょうか。 #
by kakuhiro-rod
| 2012-05-23 06:21
バンブーロッドでのフエルールの重量は、引力の強さではなく質量の多さと考えた方が良いと思います。物理の世界では質量はエネルギーに比例するとの事なので、重さと聞いて重くなる気分もエネルギーと言われれば何か有効に利用しなければと前向きになれます。 実さい渓流用2pの今風にアレンジしたパラボリックロッドでは、中央部分の質量を上げて長いリーダーを使いやすくする様なテーパーデザインをよくしますが、その時フェルールの質量もかなり効いていると思います。もはやそれはパラボリックとは言わないとの意見も有りますが、ロッド中央の質量が乗ってグンとリーダーに行きわたる感じはとても気持ちよく、もちろん超実用的です。よくバンブーロッドを語る時に言われるロッドがラインを運んで行ってくれる感じを現代的に一歩前進させた形だと思っています。もちろん重すぎるフェルールは論外ですし、例えばプログレッシブロッドの場合は出来るだけアクシヨンに影響しない軽さの物でないといけないのですが、フェルールの質量はうまく使うとロッドの性能に大いに反映出来、強い味方になってくれると考えています。 3pロッドに共通の特長として、全体的に曲がるスローなベンデイングカーブとトルクが有る感じ、もちろん多くの例外が有りますが、同じ様なスペックの2pロッドと比べた時に感じている僕の3pロッドのイメージです。 これをフェルール的に見てみるとどうなるか。前回の4pロッドのメリットで書いて居た様に、ロッド中央につっぱっているフェルールが無いので全体的にスムーズ曲がる。テイップ側のフェルールの質量が働いてラインを運ぶトルクが増す。バット側のフェルールがつっぱってバットに張りを持たす。 ザックリこんな感じだと思うのですが。 エッ「そんなん話しウマ過ぎ」ですか。 #
by kakuhiro-rod
| 2012-04-07 04:55
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